どの町にも、郊外には野球場ほどの大きさのスーパーマーケットがある。しかし、新鮮な野菜や果物を求めて入ると、青果コーナーは売り場面積が非常に小さい。鮮度も悪く、種類も限られている。
巨大な売り場の半分近くは、何列にもわたる冷凍食品の棚で占められている。残りの棚は、ありとあらゆる種類の缶詰、レトルト食品、インスタント食品。あとはスナック菓子の列が続く。一つひとつの商品は、日本で売られているものの2倍以上はあろうかと思われる特大サイズだ。
そしてどの客も、これまた特大級の買い物用カートに、あふれるほどの冷凍食品とインスタント食品とスナック菓子、そして炭酸飲料水の巨大ボトルを入れてレジに向かう。
これが、比較的収入の低い住民が住む、ごくごく一般的な町の日常的な買い物の様子だった。
都市部でも似たような現象がある。低所得者層が住む区域には、生鮮食料品を売る店がないことが多い。コンビニのような店はあっても、トマト1つ売っていない。
低所得者層向けの店では、長年にわたり、生鮮食料品に比べて安価で手軽に食べられるインスタント食品の方がよく売れてきたので、そのうち売る側も不経済な野菜や果物を置かなくなってしまったのだろうというのが一般的な見解だ。
このような環境で暮らしていれば、当然、肥満や慢性疾患などで悩む人が増えてくる。そういう人たちにダイエットさせるテレビ番組があった。驚いたのは、番組に出演する一般の参加者全員が「記憶のある限り、新鮮な野菜を食べたことがない」と答えていたことだ。